[それを見届けたなら、もうこの場所に自分がとどまる理由はない。幸せな夏が終わったのだと、溜息をつくように消えるだけだ] ………?[ここで己がすべきことはなした、と。女が秋の愁いをその顔に浮かべていると、不意に感じる視線にゆるり首を傾ぐ。その視線には心当たりがあったから。ふわり、まう、秋の落葉。終わってしまった命が枯葉のように、屋根の上の透ける男の肩にふわりと舞い降りた*]