あー……こいつは……。
[肩の毛玉の事を問われると、少しだけ眉が下がる。
真白の毛玉は、実質初対面の相手に警戒しているのかふるふると震えていた]
……オレの使い魔と言うか、相棒と言うか。
パッペル、っていうんだ。一応、妖精。
……人見知り激しくてなー……いつもこんな感じで、毛玉に擬態してんだよ。
[自身が気を許した相手であれば、本来の姿を見せもするのだが。
未だ変わる事なき己が『唯一の主』を失って以降、真白の妖精が人前で擬態を解く事はほとんどなくなっていた。
それは転じて、青年が他者に深く踏み込まず、踏み込ませず、の状態を続けている事を意味しているのだが、そこまで気づける者はさすがにいなかった。*]