ヘッドセットを渡すときにな、迷ったんだ。 そして、少しでも可能性の少ない方へ、と思った。[その後、倒れていたお前を見てから、その可能性も考えてはいたんだ。と。…通り抜けざまに嘯く。信じたくなかったが、俺は、シメオンを、] 今となっちゃ、疑ってる――。 [視線は交わることはなく。 ダーフィトは歩みを止めずに 何処かへと立ち去った。*]