― 回想・3年前 ―
[コリルスで時を過ごす内、シュテルンの実家>>4:233に関する噂も幾つか耳にすることとなった。
何処からか流れ着き、一代で財を築いたという交易商。
噂の中には、ごろつきや荒くれ者扱いするような、良からぬものも含まれていた]
かつてのわたくしなら、相手の顔を見ずとも、近寄ってはならぬお方と判断していたかもしれませんわ。
[貴族の娘は、かつての自分を振り返り苦笑する]
けれど、今は違う。
シュテルンの力を認め、夢を後押ししているお方、なのですよね。
[シュテルンの人となりや言葉の端々から、そんな姿が目に浮かんでいた。
そうして血筋や出自に囚われぬ見方が出来るようになったのも、コリルスでの修行の日々や、シュテルンのお蔭。
たくさんの事を教えられた>>3:202のはシュテルンだけではないと、彼の思いを知っていたならそう返していただろう*]