ここにいるのは……おまえらだけ、か?
[何やらざわざわとした気配は感じるが、辺りに他の人間の姿は見当たらなくて。
おそるおそる歩み寄りながら、そう尋ねた。
6年前のダンパで踊ったシェットラントや、菓子の腕前に尊敬の念すら抱いていたカーク、たまに生徒会の面々に紛れ込んで美味しいコーヒーや紅茶を淹れてもらったステファン。
教え子たちの中でも特に親しくしていた部類の面々は、まだこの3人しか死んではいないのだろうか。
それとも――ほかの面々は、ココとは違うドコカにいるのだろうか。
拠点から本国へと送られ、調査や裁判を経て処刑をされた男には。
目の前にいる3人に聞こえている、己が死んだその日より遥かに以前の剣呑なやり取りは聞こえていなかった**]