[土産を持たされてきたらしい来訪者に、
子どもがわらわらと集まる。
猫にも集われるが、ここの子どもにも集われるようだ。
2、3人ばかりは遠巻きに見守って、運び込まれる土産ものの方を気にしているようだったけれど、その中を突っ切って背の低い影が見えた人影に飛び込んでいった。]
『ゲルトにーちゃん! いらっしゃい!!』
[調理場手前で出迎えたペーターが、ゲルトの腰のあたりにがっとしがみつく。しばらく離れないだろう。]
──いらっしゃい。ゲルトくん。
今ちょうど幸せなお茶が入ったところだけれど、
味見していく?
[そういって、笑いながら孤児院の主は
手にしたコップを掲げて見せた。]