― 回想:第四エリア ファーム・パーク ―
「散歩に来たのかい?」
[そう蒼い髪の青年は口にした。
どうやら彼は以前と違い、今回は自主的にここで弾いていたらしい。
以前取材させてもらった時は、
突然の申し入れなのに受け入れてくれて色々と聞かせてくれた。
彼の言葉そのものというよりも、
その節々から垣間見える楽器や音楽への好きだという感情に共感したのをよく覚えている]
望郷を表す流浪の民の歌……。
なるほど、私に響く歌だったのも納得です。
けど、たぶん懐かしく思えたのは、
セルウィンさんの心の籠った演奏と歌唱があったからだと思います。
もー、セルウィンさんは一体どれだけ曲で私を魅了すれば
気が済むんですか!
[なんて笑ってそんなことを話していたら、
非常事態を告げる警報と避難指示が響き渡った]