[学生時代に、訓練でよく騎乗した馬。もちろん自分の所有ではなかったけれど、親しい人々からはパートナーとみなされるほどに、互いの相性は良かった。まだ若い馬だったから、自分の卒業後も訓練用の軍馬として健在だとは聞いていた]……乗れって?いいの?[青毛の牝馬が、服の襟を噛んで、軽く引き上げる仕草を繰り返す。促されるままに、その背へ跨がった。懐かしい感覚。夜間飛行の意味を持つその名にふさわしく。暗闇の中を、彼女は躊躇いなく駆け出した。――そして、導かれた先は]