[ 黒王子さまの経緯は知らなかったから、
それが耳に入ればその経緯を聞けただろうか
眼下の王の間の光景から伝わるのは
どこか、かなしい気持ち。
告げられたドロシーの身の上には
一瞬だけ目を見開いて、ぱちり、とまばたき1つ
たしか、そんな噂もあったような。 ]
……そう、だったんですね。
[ だからアイリ総督に手を掛けたのかな?って
頭の中を過ぎったけど、なんか今の状況じゃ
別に、聴く気も、起きなかったし。
それに。 ]
でも。士官学校時代のドロシー先輩も。
軍に配属された時のドロシー先輩も。
白狼騎士団のドロシー尉官も。
心のうちがどこにあれ、
あたしにとっては優しくて可愛い先輩でしたよ
[ うん。本音。 *]