[結局、私は銀狼が消えるまで何も出来なかった。
ちらりと横を見ると、一緒に居たセルウィンさん>>5:+95も、
警備員のディークさん>>5:+89も同じようだった]
フギンの言葉を鵜呑みにするなら、私達はホログラム。
霊体とか幽体とか魂ではなくて、電子体とかの方が近いのかな……。
ホログラムと言ってもメリーの怪我は生々しかったし、
覚悟を決めないといけないんだよね……。
[怖いという気持ちを必死に抑え込んで、
私に合う武器をイメージする]
私は運動神経が良いわけではないから、
狼相手に近づいて剣で斬り付けるのは無理。
だけど、銃は狼に飛び掛かられた時に身を護れない。
出来る事なら大きな盾が一番だけど、
無理ならなるべく相手に近づかずに攻撃出来て、
且つ、飛び掛かられても受け流しに使えるようなもの……。
[目を瞑り、手に力を籠める。
白い煌めきと共に現れたのは、
穂先が左右に突き出た十文字槍だった。]