…………[死神なんてものを相手に、どれだけ自身の言葉が通用するのだろう。不興を買って、死した上での更なる苦痛なんてものをを与えられてしまったらどうしよう。それから――…それから――…男の思考を襲うのは大量にすぎるマイナス思考。だがそれよりも何よりも、あの人に報えぬままの自身が許せないという意識が勝った。指輪のない震える手をぎゅっと握り、黒衣の男へと、言葉を放つ]