─ 天上宮・治療院 ─
[男は此処に来るまでも自身の足で歩いてきた。
カサンドラを見送る時にも一礼をして見送り、支えを要とはしなかった。
男の変化は、霊亀神と共に個室の中に入り戸を閉めた後。
どさり、と音を立てて床に崩落ちた男は霊亀神を見上げ、眉を下げた]
申し訳、ありません。
御力、お借りいたします。
[元々補佐に長じている身、己の気を高める術は得意な方だ。
けれど、増幅する為に必要な気すら残さなかった故に現状術の行使も出来ない。
霊亀神からの金気を持って不足を戻す以外に今の自分の気を早く回復する手立ては無いだろう。
ある程度回復できれば後は自分で増やせるようになるからと霊亀神に伝えた後。
共に在られる間にはクリフの戦い振りなど伝えもしただろう**]