[縦横無尽に苦無を飛ばしながら、思案に耽る。 或いはそれすらも、心の龍には『読まれ』ていたのか。 不意に龍は咆哮と共に、翼を強く羽搏かせた。 そして鱗に当たる苦無をものともせず、急激に上昇する] しまった![娘らしからぬ深い思索のせいか、一瞬反応が遅れた。 身を翻し円を描くように飛んだ『深奥』は、咄嗟に上方へ跳んだキアラの身をその動きの中で掻っ攫い、胴に巻き付いて締め上げようとする] ああ……っ![呼吸もままならない状況に、浮かびかけていた答えはあっけなく霧散した*]