胸の前 両掌を上にして瞼を閉じる 全身に淡い緑の燐光が灯り 背に伸びる透明な翠の翅『………』 拡げた四枚の翅 翅脈が一度煌めいて 先端から弱く薄く光を失ってほどけていく掌の上に、翅と同じ色の小さな光生み出したそれは翅が全て消える頃、掌から零れる大きさの光球になった