─ 天上宮・治療院 ─
私は大したことはございません故。
カサンドラ殿は、皆様の助力に向かって下さい。
[宮の外、都近くから感じる陰気は男にも察知できている。
見たところ気の回復が為されているカサンドラに、ここは大丈夫だと退席を促し]
申し訳ありませんが。
私がこうして先に戻ってきたことを、他の者には伏せて頂けますか。
妖に後れを取った護衛などと知られれば、護られるに不安を覚えられましょう。
[内には、天帝の傍に控え負傷した者達に備える孔雀の手を煩わせたくない思いがあるが。
勝手な言い分を理由に、頼み任せて彼女を見送った]