― 10年前の・教会の前 ―
[男の腕にあるひとつの命。ちいさな額をそっと撫ぜる。
赤子は生まれたばかりの幼さ。
羽根も隠せぬほどに未熟な幼き魔。]
…… せめて隠す力を与えてやらねばな
[泣くのも疲れて眠る赤子を灰色の毛布から抜く>>0:392。
背に生えた羽根に手を翳し――… そして羽根は幻のように消える]
お前が自分で力を制御できるようになったら、
この羽根はまた、生やす事ができるだろう。
[最も神のもとに近い場所で育つ方が良い。
魔物臭さは聖水を受けて香りを逃すものだから。
敬虔な者達の中に身を隠せば、忌みた血を薄められるから。]