[ 魔王は楽しい悪戯を思いついたかのように、男の身体を脇に置き「見せてやろう」と言葉にした。
魔によって閉ざされた闇の檻の一部が、更に強大な力を持つ魔王の言霊によって、意図することなく開かれて、男の魂は「視界」を得る ]
ヨセフ...皆......
[ 蹂躙される様を、と、魔王は言った。けれど]
信じている...から。
[ 押し寄せる魔の軍勢、その圧倒的な行軍の前に、儚くも揺れる篝火...手を伸ばそうとしても、声を届けようとしても、決して届かない。
その無力感に苛まれつつもなお
男の心は、絶望からは遠い** ]