[ドロシーが煙草を買いに行っている間に、オズワルドが傍へと寄ってくる。見たことのない彼の濡れた頬に手を添える。
―――泣かせてしまった。
無愛想だが、いつも優しかった。その優しさに甘えていることは自覚していたがふとした瞬間に見せる呆れたような小さな微笑みが好きだった。]
オズさん、泣かないでよぉ
ウチなんかのために泣かないで、お願い
そーだね…飲みに行くって約束守れなくなっちゃった
でも最期にオズさんに煙草返せてよかった
なんか、今買わなきゃって思ったんだぁ
[彼の頬を撫でながらも、次から次へと目から涙が溢れる。こんな自分の為に泣いてくれる彼女や彼の優しさに、胸が痛む。
自分は彼らの為に何か出来ただろうか。彼らの中に、何かを残すことが出来ただろうか。]