[一度きり、聞いたことのある羽音と気配が舞い降りる。端に微かに朱を滲ませた目を上げて、紅の梟を見た。] ─── 貴方か。[投げやりな声を上げ、唇を歪める。] ……餞別など、もらう資格はない。 罰を願うのもおこがましい。 ただ、 …なにか刃物を貸してはもらえないか?