[誰にも届く事の無い謝罪は、銀色の雪原に吸い込まれていく。生きている人間が誰もいない。"ひとり"の冷たい世界の中で。薄麦の髪が、子供特有のツヤを無くし少し硬質な触りになる。薄麦の瞳も、理知さと意志を帯びる、大人の青年の眼光が宿る。そしてこの身体は――視線が急激に変化した高い世界。程好い筋をつかせ長くすらりと伸びた両手足。微かに精悍さも帯びた 何時しか大人に成長していた自分の姿がある]