[首筋を弄る手が少しこそばゆい。それを少し身を捩って避けつつその体から降りる事はしなかった。]
いかにも。
起こすために驚かせたんだから、
此方としては目論見通りに事が進んで嬉しい限りだ。
[が、彼の呼び方に鼻の頭に微かに皺を寄せる。]
……いつの時代の話だ。俺はソマリみたいに若くはなれないぞ。
[昔を、特に子供時代を知られている人物と過去話で対決するのは分が悪い。それに、毛も逆立てられ少し落ち着かない。
ゆらゆらと尾を揺らしていると半日ぶりに彼の声を聴いた。>>+24]
おはよう、ベリアン。
……顔色が悪いが大丈夫か?
[いつもより血色が悪いようにみえる。リエヴルの体からするりと降りると、鉄格子の近くまでよるだろう。]