[男の能力の発現は遅く、その力が確認されたのは20歳になった年のことだった。
すでにパイロットとしての訓練を始めていた男にとって、それは晴天の霹靂といってもいいような出来事で、しばらくは能力そのものをうまく受け入れられずにいた]
[だが、グローランサであることを認定されてから、すぐに配属されたリュフトヒェン基地で、同じ立場の同僚や、もっと年若いグロリアス・チャイルド達と出逢い、その中に自分の居場所を見つけてから、男の意識は変わった。
「自分の目標」であるパイロットとしては不要な力、だが「仲間のために」使うなら、それは役立つ力になる。そう思い決めてからは、能力の制御も格段に安定し、迷いも消えた]