[ふと、喉の渇きを覚えた。といっても地上にいた時よりだいぶ遠い。増血剤が効いたというよりは、ここに何らかの力が働いているとみるべきだろうか。少し集中した後、一瞬の後に一頭の銀色の狼が現れる。此方の姿の方が吸血種としての本能が弱いのだ。ベリアンと会話をするならその場にとどまっただろうし、レトが起きていたならある程度近くまでは寄っただろう。]