[と、かすかに身じろぐ羽音が聞こえたような気がして、目を細め、肩越しに天井を仰ぐ。>>+7闇の高みにも何かいたのを思い出して、長居は不要と立ち上がった。ひとつきりの出口へ向かう。魔剣はその傍らにない。] 踊り切れなかった── もっと、強くならねば。[いつもの結論を自分に課して足を進めるけれど、翼の音を想起するだけで、あるいは肌に触れる着衣の布地の感触までが気を散らす。城主の置き土産。見知らぬ焦燥に、息が乱れた。]