― ぶっちゃけるとさー ―
[どこかのやっすい居酒屋にて]
……ん、ぼくが吟遊詩人やってる理由?
そーだねー。
昔は、それはそれは歌とか音楽とかはだいっきらいだったね。一音外せば叩かれるし(風の鞭で)、遊びも許さない完璧ななんとやらーとかいわれて窮屈でさー
[さらにメッセンジャーとして託された歌がいろんな意味でげろ最悪だったのもあって、ものすごーくやだった]
でもね。うん、比較的ご近所さん(きみんちだよ)で、子供が生まれる時に、子守唄の練習をおくさんがなさっててね(きみんちのおかあさんね) それを聞いていると、ああー、ああいう風に落ち着く曲ならいいや、ってやつ。
ちょっと考え事とかしているときも手元にあると落ち着くんだよね。まさか今、これでお金を稼いでいるとは思わなかったよ。
[よっぱらは口が滑らかだった*]