―青い世界・西寮―
[懐かしく愛おしい思い出が詰まった古巣――今や荒れ果てた――自室で、淡い幻の彼は、カークに問い、また、話し続けた。
こちらの声は届かないとわかっていても、それが戯れでも、言葉を交わしたくて……心の声を口に出す。]
>>6:3
どうして軍に入ったか? そうだな……それしか道がなかった。
いや、ないと思い込んでた、が正しいかも。
うちは爵位があっても、そんな裕福じゃなかった。
でも親父は男手一つで俺を育てて、士官学校に入れてくれたから……俺が立派な将官になることが親孝行だった。
間違っても「仕官しません、菓子屋になりたい」なんて恐ろしくて言えなかったなぁ。