[そうして、ムニンのおしゃべりに耳を傾けるうちに、
羽根を撫でる手が、一瞬、止まった。]
……「風の冬」は大嵐、
「剣の冬」は内戦、
狼の冬は、人狼の冬――?
[語られる言葉を、復唱するように繰り返す。
そう思っていたのは誰が、と問うても、帰ってくるのは赤い片目のウィンクひとつ。]
やっぱり、どの言葉も全部何かしら、
意味と成り行きがあるんじゃねえのか、これ……?
[とはいえ、肝心のその意味やら、バルドルやヴォルヴァの意味するところは分からずに、
んんん? と首を捻り、鳥もふをもふもふともふるのみであった。**]