―― ―― [ 漂う ] [ 最後の瞬間、それとも、いま ゆらゆらと、狭間を][届くことなくさらさらと、零れ落ちるばかりのことのはが、不意に、暖かいてのひらに、掬いあげられたような気がした。>>6切り裂かれた傷口を、ふっとすり抜けて、この心と魂にそっと触れてくれるような、そんな手。もしかしたら触れることで、その指も痛みを共にすることが、あるかもしれないのに――…それでも伸ばしてくれた、ひどく、優しい手だ。]