“だいたい、アリーセは僕の主人なんかじゃない。”
“アキレアは人に懐かない、そうだろう?”
[そんな不遜な声は、呆れたように、面倒くさいというように、続けた。
このアキレアはアリーセと出会って以来、他人と会話することなどなかった。それが口を開いたのは、どういうわけだったのだろう。]
“…アリーセなら、第2エリアにいたよ。”
“そう…キミと通話してた場所からそう離れていない。”
[嫌々、というように聞かれた居場所を答える。
こうなる前にしていた通話のことを引き合いに出しながら。
それから目をそらすようにふいと、その毛が動く。
何か後ろめたいことがあるように、見えたかもしれない。
それからまた、コクーンの上でじっとするのだった。**]