― 個別領域 ―
[草原に聳え立つ大木。
その下で寝転がり、休息を取ることしばし。
傷の治癒は進み、重症だった胸の矢傷も内と外の両方から塞がっていく。
完治にはまだ時間がかかるが、動くには支障がない程には傷は治癒していた]
ツェーザル、傷の具合は?
[魔力やメルヒオルの血が必要であれば分け与えようと問いかける。
既に流れた血では治癒の効果はない。
ヴィンセントに渡した時のように凝縮したものならば話は別だが、治癒効果があるのは鮮血の時だけだった。
血を求められるなら、最初に与えた時のように小型化したランスで指先を突く心算*]