――Nルーム・Side:Achillea――
[アキレアはただじっと、アリーセの死体を見ていた。
その心中を窺い知ることはできなかっただろう。なぜなら、普段と変わらずにもこもこしているように見えるからである。
クリーム色の毛を揺らして、コクーンに張り付いていれば、珍しいものでも見たかのような声>>4:+56がアキレアにかけられた。まあ実際、珍しいのだが。
アキレアは何も応えなかった。それに手を伸ばしても>>4:+57、触れることは叶わなかったかもしれない。
それでも、その声の主は、そんなことも気にしないのか、かけられる声が止まない。
やがて落ちた沈黙、そして]
“…煩いなあ。キミは、アリーセの何なのさ。”
[少年のような少女のような、男性のような女性のような、聞く人によって印象を変える声が響いた。
それは、Nルームに居た人には、聞こえたかもしれない。]