人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


【墓】 特務大佐 シロウ

― 処刑台へ向かう道のり ―

[目隠しをされ、手枷についた鎖を引かれ、処刑台へと歩く。
絞首刑になるのか、斬首刑になるのか。それとも、鋸挽きや、磔にして火炙りなど、苦痛を長引かせる種類の処刑方法になるか。それさえも知らされないままに]

 ――ああ……ようやく、死ねる。

[口にはしないが、そんな思いがあった。これで、あの夢と余計な事を考える日々から解放されるのだ、と]

 ――兄貴たちは、怒るだろうけれど……

[親子ほどではないにしても、年の離れた弟を。兄たちは実の子のように可愛がってくれた。
母の記憶は、自分を庇って死んだ時の光景しか残っていない。父には厳しく様々な技を仕込まれるばかりで、可愛がられた記憶はなく。
幼い頃の自分を可愛がってくれたのは、3人の兄たちだけだった。

血腥い世界から遠ざけようとした弟が、その世界に足を踏み入れた末に命を落とす事を、哀しみ怒るだろう――と。そう思ったところで]

 ――ああ、そうか。

[先に逝った兄たちの事を思い返して。ようやく、自分が軽々とクレメンスに乗せられた理由がわかった]

(+20) 2013/06/20(Thu) 00:52:27

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