アレに一度も忠誠心を抱いたことなどない。 俺は、なりたくて親衛隊になった訳じゃない。 出来れば、父の元でずっと薬師としての腕を磨き、 その跡を継ぎたかった。 俺を連れて行かせまいと体を張って、兵士に父が殺される処など、母が蹂躙される処など、見たくはなかった。 どう思っているかと言われれば、憎い。 一度は殺そうと思ったよ。[今については言わない。そこで、ふと顔を巡らせた。じっと、地上であれば城の方を眺める。] ……ああ、一人ルージュが分かったぞ。リエヴルだ。