……ローさんが、おおかみさんだったんだね…。[ロー・シェンが立ち去った後、ぽつりと呟く。初めてほら穴で見かけたとき、ちらりと見えた気がした牙は見間違いなんかじゃなかった。あの、赤く光った双眸も。][でも、それならどうして。初めてほらあなで出会ったとき、自分を咬まなかったのだろう。]