[あの時、父に化けた自分へ銃を向けていたあの人に。どうして、と問うた。>>0:741彼が帝国の軍人であるのならば、敵国の和平主義者を狙うのには――狙えと命じられるのには、理由があるに決まっている。国境を越えての作戦行動。彼ひとりの意志でないことくらい、わかっているのに]僕は……ここへ来てしまったから。大事な人たちと、戦わなくて済むんだね。[浮かべる笑みは、苦い。――どうして、あの役目が彼でなければならなかったのか。どうして、偶然自分が同行しているときだったのか]