[膝をついたなりにその手を離さず、紅玉の瞳見上げ] ご謙遜を。 どれほど時を経ようと贄殿の姫の輝きが色褪せることなどあり得べからざる事。 否、時代が過ぎたというのならば、過ぎた時の方が悪い。[嘯いて、如何なる時も笑みを刻んだままの唇綻ばせた。] とは申せ、姫御前が任せると仰せなら従いましょう。 尤も、私も客分故、蛇殿梟殿の差配に従う所存ではありますが。[急速に休眠に落ちゆく白銀の乙女を見守って。完全に眠りにつくまで傍らに侍った。]