だ…だめだ[口が渇く。刃を握る手から力が抜ける] 渡さねぇ。 逃がしたら俺が、殺されちまう[武器の一つも持たず、まるで絵の中みたいに綺麗に笑う女が怖かった。ガタガタ震えながら、必死に顔を上げる。もう一人の見張りはまるでこの威圧感を微風ほども感じていないように、下卑た嗤い声をあげてその女に掴み掛かろうとしていた。気紛れで女を捕えて弄ぶ、いつもの調子で] ───おい、待