[最初、こちらから攻めるとなった時に、決めたことがある。今回は徹頭徹尾、攻めてやろう。その思考の切れ端が、身体を前に押した。風を貫く一閃など避けきれるものではない。前に出る前傾姿勢をさらに深くすれば、狙いの中心を外せる程度。肩から背中まで、浅いとは言い切れない程度に赤の線が入る。それで怯むことなどなく、踏み出しながら一撃を繰り出した。斧を振り抜く形から素早く持ち手を変え、追いかけるような軌跡で石突の側を振るう。こちらはやや高く、脇腹のあたりを狙っていた。*]