お、あったあった。
他の荷物は船に置きっぱだけど、これだけは肌身離さずだったからな。
ここでじっとしててもしょーがねーし、少し歩き回ってみるわ。
万一があっても、これがあれば身を護るのは出来るしよ。
[そう言って手に取ったのは、掌よりは少し大きい銃。
故郷で力を入れている錬金術、具現精霊武器作成の過程で出来た失敗作を有効活用するために開発された代物だ。
尤も、現在は価値の低い精霊石を利用して専用の弾を作るようになったのだが]
探知の方、頼むぜ?
[逸れた船があるとか、船団に関しての諸々は知る由もなかったため、クレステッドは気軽にその言葉を紡いでいた]