―回想/6日目・Nルーム―
……うるさいな。俺は疲れ果ててるから仕方ないんだよ。
[ばかソマリ、の軽口が嬉しかった>>6:192。
それでもへなりと座り込んだ様子を見れば、血に怯えることも無く手を差し出す。
ガルーはつい先程まで暴れていた故、直に次の衝動が来ることは無いだろう。
お互い殺す言葉を守れそうに無かったのが面白い。
こんな所まで似ていたとは。]
心配しない筈がないだろうっ……!
イカみたいに真っ白い顔しやがって……!
……そのイカにしたのが、俺だから……
余計に不安でな……。
[コクーンに運び込み、横たわらせ治療をしていると>>6:193
手を握り締めながら不安を隠しきれなかった己に対し、一方カサンドラは余裕の笑顔。
コクーンの効果と彼女の体内に宿るガルー細胞のお陰か、見た目より傷は深くなかったようだ。
この血に塗れた手に人の温もりを感じられると思っているなど、
口に出されても信じることは出来なかっただろう。
現につい先程まで、彼女の首を絞め殺そうとしていたのだから。
たとえ意識を失っていようが、彼女が夥しい血を流し、鉄錆に似た
真紅の残滓が存在していれば、己が何をしたか容易に理解できる。
だからこそ手を握り続け、彼女の身から熱が失われなかったことが本心から嬉しくて。]