迎えに来たよ、俺の妹《リーザ》。[卵が次第に大きくなって、男は畏怖を身に抱いた。少女に己と同じ悪魔を彷彿とさせる羽根がどうか生えずに居て欲しいと願ったあの日。生えたての羽根は灰色で、羽毛のようなものだった。どうか石を投げられずに居てほしいどうか隣人に愛される存在で居てほしいと。小さき命が幸福に包まれてくれるように、そう願いながら礼拝堂の表扉の前に、少女を託したのだ]