[次の瞬間、ゾフィヤもまた、相手の中で”巻き戻った”時の一部を垣間見ていた。それは少女と少年が手合わせをしている光景。茶髪の少女は先程傷つけた彼女で間違いないとして、相対する黒髪の少年は――既視感があった。というか成長したなら、今はヴェルと戦っているあの軍人の男の人になっていそうじゃあないか]――っ、[その一瞬を確かに記録して、針は幾枚もの橙色の羽根となって舞い散る。“戻った”と――そう思った時には左手は何も掴んでおらず、己の身体の自由も奪われていた]