[だから、女は笑った。死を嘆いていないという彼に。
彼と一緒にいけたこと、喜んでもいいのだと、その安堵から。]
……アタシも、ほんとは…
少し、うれしかった…
ひとりで、しななくて、すごく、安心して……
[それは半分懺悔みたいなものだ。
自身に仕方ないなと笑って、許せたけれど、まだ残る罪悪感の残滓への。
でもあの日の少女が、救われたのは、確か。]
それでも、それ、でも…
アナタには、いきて、ほしかった…
いきていて、ほしかったよぉ…
[それでも、
相手に生きていて欲しかったのも確か。
この騒動の結末なんて知らない。待ち受けるのは絶望のみかもしれない。
あの日思ったことは、今でもまだ自身のエゴだけど。
そんなものをぶつけてもどうにもならないことはわかっている。
だけどそれくらい、大切だったのだ。
言わなければ、気が済まなかった。
また涙が零れた。こんなの困らせるだけだとわかっているけれど。
きっとこれは、女の精いっぱいの甘えだ。]