―カタリナの家・家畜小屋―
みんな元気だ。よかった…
[雪崩の影響は受けていない様子で、家屋も家畜小屋もそのままの形で残っていた。
まずは家畜小屋で動物たちの無事を確認し、安堵の息を漏らす。
両親が逃げる前に、ありったけの餌を残していったのだろうか。
残りわずかではあるが、どの動物も飢えている様子はない。]
…もー…おまえのせいで、ペーターとケンカしちゃったんだからね…
[苦笑しながら、喧嘩の元となったちぎれ耳の小さな羊を撫でようとするが、感覚もなくすり抜けてしまった。
羊は何事もなかったようにただ鳴いている。
すり抜けてしまった手と目の前の羊を見比べ、一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、すぐに元の困ったような笑みを戻し、そのまま住居の方へと向かった。]