[次に案内してくれたのは温浴可能な浴槽だ。こちらは将官用だという。
湯を運ぶのも一苦労だろうに、それを惜しげもなく提供するサービス精神には恐れ入る。野営地での贅沢なひと時は、次の戦場へ赴く活力を生む一助になってくれること間違いなしだ。
──ちなみにティルカン連邦では、風呂を野営地に造るなどという発想がそもそも無い。一般兵は濡らした布で身体を拭くのが基本で、上官であっても沸かした湯で、軽く身体を流すくらいだ。]
…はははぁ
風呂に関しては、完全に
[率直な感想を述べると、案内してくれた騎兵は自慢げに付け加えた。
『これらの風呂を設営したのは、ナイジェル軍団長なのですよ』と。]