…………?[ふと、右手が何かを握り締めているのに気付く。 重たい腕に力を籠めて持ち上げれば、それはシュテルンが術の媒介にしていた短剣で。 自分をここまで運んだ人が、捨てるなと言っていたと、そんな話も聞かされた>>150] …………っ[思わず瞼を閉じると、目尻から熱い雫が零れ落ちた。 短剣を握る右手を胸に置き、左手でそれを抱き締める] ……ありがとう、ございます……[震える声は、礼の言葉を述べていた。 短剣をこの手に握らせた人と、彼の意を汲みそれを残した人に向けて]