面倒だが自分で拾うか。[ 支えを喪っても、男の身体はもう揺らがない。良く見れば、今の会話の間に、傷は塞がりきらぬまでも、流れていた血は止まっているのが解るだろう ]いい加減、閉じこめられるのにも飽きた。腹も減ったし...な。[ 再び空の月を見上げた、男の金の瞳には、先までとは別の、怒りの揺らめきが宿る。退屈しのぎと嘯いて、仕組まれた争いに乗っておきながら、結局の所、仕組んだ相手を許しているわけではないのだ、とは、ディークにも読み取れたか* ]