それ、は…無理です。
[ 拒絶ではなく、無理だ、と、そう言葉にしたのは、自身も考えた事があったからだ。
融合体となり、核を取り出せば、狂った種を抑える力を維持したまま、ヒトの世に戻ることの出来る可能性はゼロではない。失敗したとしても…命を失うだけならば、いまここで彼女にトドメをさされるのと代わりはないだろう ]
[ けれど、それは、あまりにも危険だった ]
核を取り出せば…私は、意志を失うかも、しれない…そうなれば、あなた、を…
[ 殺してしまうかも、と、言いかけて、はっと言葉を飲み込む。
自分を殺せと、さもなければ彼女を殺すと、そう自分は告げた筈だ、それなのに、この言い草は何だ? ]