[彼女の言葉は何処かしら非難の色を見せてるかも知れない。
此方がした事は責められて当然の事を仕出かしたのだから弁明しようとはしなかった。
弟と娘のやり取りに視線を戻し、彼女の問いを答える。]
……手に入れられなかったからだ。
手に入れられないなら、いっその事壊してしまえば良いと思った。
ただ、それだけの話なだけだ。
[何を、とは言わずとも分かるかも知れない。
手に入れられなかったから自棄を起こした、と言われればそうであり事実でもある。
何方にしても嘘偽りでは無く、厄災を起こした己は命を落とした彼らの怒りの矛先に成るべく正直に胸の内を明かした。
其れは己の償いという想いが無いと言えば嘘であるが。
何より怒りを憎しみをぶつけられない辛さを知るが故、自ら