― 屋根の上 ―[焼けた耳で、潰れた耳で、銀の嵐を捉えようとはしてみるが、視界内で勢い良く舞い上がる雪風に対し、運ばれてくる音はなく。頭の先から足の先まで凍り付きそうな寒さだが、今は誰にも会いたくないと、じっと座って白銀を見つめる。]